着物がお好きな方ですと、ビロードと言えば「輪奈ビロード」を思い浮かべるのではないでしょうか。
実は、ビロードには、「輪奈ビロード」と「切りビロード」という種類のものがあります。
こちらのビロードはちょっと珍しい切ビロードになります。
輪奈ビロードは、今でもコート地などに使われ、当店でもお作りさせていただいていますが、今も作られている織物になります。
一方の「切りビロード」のほうは、あまりお見掛けすることはなく、お聞きすることも多くはないかと思います。
違いを簡単に説明してみますと、
輪奈ビロードは、細い針金を入れて織り上げるのですが、織上がった後、細い針金を引き抜き、糸が輪になったままのものを言います。
一方切りビロードは、針金を抜く前に、刃物で経糸を切って仕上げたものになります。
この切断が極めて繊細で技術を要する作業のため、貴重な織物になっています。
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寒くなってきますと、このビロードの帯が、見るからに暖かで、織物でありながら、やわらかく、見た目とは異なる軽さ。極上の軽さとは言えませんが、決して重くなく、そしてやわらかい。柄とビロードの織は六通柄になります。
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暖かで、お色がまたとても良い深いお色なのです。
熟成した赤ワインのような、深みのある赤に、金糸で牡丹唐草が織り出されています。
赤味かかった海老茶色といいますか。
少し艶っぽい、女性っぽいお色も感じさせつつ、重厚な文様と、ビロードの風合いで、上品さと風格の雰囲気をおたのしみいただけます。その塩梅がまた見事です。
合わせるお着物は、訪問着や附下・色無地など。
ふと思いましたのは、還暦のお祝いなどにも素敵です。
今の60歳はお若いですから、チャンチャンコには抵抗があるものです。こういう風格ある赤を身に着けるのも素敵すぎます。
もちろんお茶にもどうぞ。戦国武将に広まった茶の湯の文化。どこかリンクするものがあり、それも素敵で面白いですね。
文様は、織田信長が上杉謙信に贈ったと言われる天鵞絨のマントに描かれていた牡丹唐草ー
潔くカッコよく、そして少し艶っぽい。しかもあまりお見掛けしない切りビロード(天鵞絨)
〇お持ちのお着物にあうかどうか、お写真などお送りいただき、お伝えさせていただいております。お気兼ねなくお聞きくださいませ。
ビロード袋帯 上杉家伝来牡丹唐草文
〇お仕立て無しでもお送りいたします。
〇お仕立て代(芯代別)¥11,000
〇芯はお好みをお聞きして選んでいきます。素材によりお値段が変わります。お決めいただいたあとラインやメールにてご相談させていただきます。